Latex(ラテック/ラテフ)で数式混じりの文章が作成できるようになりたい。けれど、Latexに関する知識はほぼゼロだし、勉強法もいまいち分かっていない。本も色々あって選べない。
これは、Latex初心者だった頃の自分の状況ですが、今これを読んでいるあなたも、当時の僕と同じような境遇ではないでしょうか?
もちろん、今ではごく普通にLatexを使いこなせているわけですが、それは紛れもなく『1週間でLatexの基礎が学べる本』という書籍のおかげです。
本記事では、悩めるLatex初心者の方に向けて、僕自身がゼロからLatexを身に付ける上でめちゃくちゃ役立った『1週間でLatexの基礎が学べる本』という書籍の紹介をします。
結論、初めてLatexを勉強するなら、間違いなく、この本を使うのがベストです。この本を使えば、効率的かつ最短でLatexが使えるようになります。
以下の本文では、僕自身がこの本でLatexを身に付けた実例も混えつつ、
- なぜ『1週間でLatexの基礎が学べる本』がLatex初心者に最適なのか?
- 『1週間でLatexの基礎が学べる本』を使った、Latexを最短で使えるようになるための勉強法
を解説していきます。
【実例】『1週間でLatexの基礎が学べる本』では、どのくらいのLatexスキルが身に付くのか?
最初に、Latexを1ミリも知らないLatex完全初心者だった僕が『1週間でLatexの基礎が学べる本』だけで、どれだけLatexが使えるようになったかを紹介します。
そこで、以下の記事を1つの目安として挙げさせて頂きます。
自分は理系学生ではないので論文やレポート用途としてではなく、このような数学の解説系ブログ記事を作成できるようになるためにLatexの勉強したという背景があります。
Latex初心者に『1週間でLatexの基礎が学べる本』をおすすめする2つの理由
それでは、『1週間でLatexの基礎が学べる本』が、なぜLatex初心者におすすめなのか、その理由を以下の2点から説明します。
- CloudLatexを使うから環境構築で挫折しない
- Latex初心者がまず最初に絶対に身に付けるべきことだけを厳選して解説している
CloudLatexを使うから環境構築で挫折しない
まず第1に、この本では「自分のPCにLatexをインストールして環境構築から始めよう!」という所からスタートしません。
その代わりに、CloudLatexというネット経由で無料かつ簡単に使えるクラウドサービスを使います。
だから、環境構築で上手くいかず、Latexを書く前にLatexに挫折するという本末転倒な事態はまずあり得ないです。
もちろん、ローカルに環境構築するのと比べて、クラウドサービスでは、ある機能に関しては自由度が落ちることもあるでしょう。
ただし、僕自身が日々CloudLatexを使う中での所感としては、操作に関して不自由さやストレスを感じることはほぼ無いです。
むしろ、UI/UXは洗練されていて完全無料なのがびっくりするレベル。それに、DropBoxとの連携機能もあるので、ファイルの安全な管理もしっかりできます。
’’最短かつ効率的にLatexで文書作成ができる’’目的に特化している
本書は、Latex初心者が’’最短かつ効率的にLatexで文書作成ができるようになる’’という目的だけに特化しています。
これは、Latexで数理系文書を作成する上で、まず最初に絶対身に付けるべき最重要事項のみを厳選して解説している、とも言えます。
これにより、Latex初心者は、枝葉末節に気を取られずに、本当に重要なことだけに集中できます。
その結果、1〜2週間という短期間で効率的に数理系の文章をLatexで執筆できるというわけです。
もちろん、その反面、網羅性にかけるというデメリットはあります。
ただし、本書でLatexの基礎を身に付けたなら、本書では解説していない機能が必要になったときは、適宜ネットで調べることで理解して使えるようになります。
例えば本書では、ベクトルや行列の出力方法は一切解説していませんが、自分の場合、以下のような記事をネットで調べて作成できています。
【実例】『1週間でLatexの基礎が学べる本』を使ったLatexの勉強法
ここからは、僕が個人的に実践した『1週間でLatexの基礎が学べる本』を使ったLatex勉強法を紹介します。
まず、大まかな流れとしては、1章から読み始めて、Latexの使い方やルールに関する解説を理解しつつ、サンプルコードを写経しながら、最後に章末の演習問題で確認するという「理解+実践」方式で進めました。
このやり方では、1章分をやり終えるのに大体1時間半〜2時間ぐらいかかり、トータル全7章をやり終えるのには、2週間弱かかりました。
また、実際に解説を読んだり写経したりする際に意識したことは、本書でも強調されていますが、
- 個々の記法や機能の暗記よりも’’Latexでの文書作成の全体像’’の理解を優先
- Latexのベストプラクティス(ルール)を守る
という2点です。まず、1つ目ですが、暗記は苦痛ということもあり、無理に覚えようとはしませんでした。それに頻繁に使う記法・記法は自然と覚えられます。
それよりも、必要なときに適切なネット検索ができるように’’Latexでの文書作成の全体像’’をしっかり理解することを徹底しました。
だから、本書の章末の演習問題をやるときも、模範解答は見ませんが、躊躇せずネットや本書を参照しながら行い、”Latexでの文書作成の全体像をおさえられているか’’どうかだけを確認していました。
ちなみに、Latexを使えるようになった今でも、細かな機能や設定は一切覚えていません。都度、検索しています。
2つ目に関しては、Latexで’’良い’’と定められた記法や用途を守ることです。
一応、ベストプラクティスではない自己流で書いても出力結果は同じようにすることもできるでしょう。
しかし、コードの可動性や管理性は悪化して長期的にメリットはないので、自己流にならないよう気をつけました。
Latexスキルを定着させるための方法
最後に、本書で身に付けたLatexでの文書作成術をより定着させるための’’コツ’’のようなものを挙げておきます。
というのも、この本だけでは圧倒的に練習不足なので、何の苦労もなく呼吸するレベルでLatexを使えるようになるには、更なるアウトプットが必要だからです。
Latexでのレポート提出がある理系学部の大学生ならいいですが、そうでない人は以下にあげる2つをヒントにして、本書で学んだLatexをアウトプットする機会を確保するといいでしょう。
数理系科目のまとめノートをLatexで作成する
Latexを身に付けるということは、数学などの数理系科目を勉強していることと思います。
その際、学んだことの整理のために、紙のノートやWordまたはGoolgeドキュメントなどを使っているでしょう。
これをCloudLatexに移行してみてはどうでしょうか?
僕も以前は、紙のノートとGoogleドキュメントでまとめノート的なものを作成していました。
しかし、Latexを身に付けてからは、CloudLatexでの一元管理に統一しました。
紙のノートでは手書きになるので、どんなに丁寧に書いたとしても、(自分の場合は)後から見直したときに読みづらいし、また、紙なのでかさばり管理が面倒です。
一方、Googleドキュメントは、ノートの電子管理はできますが、そのままでは後から読みやすいとは言えません。
また、PDF出力も手間がかかり、複雑な数式挿入も実質的に不可能です。
これに対して、CloudLatexは、PDF出力が一瞬でできることもあり、後からでも読みやすい整然としたまとめノートが作成できます。
なお、僕自身、最初はLatexの練習のためとして始めたCloudLatexでの数学ノートの作成ですが、そのあまりの便利さから、今では、LatexとCloudLatexなしでの数学学習など考えられなくなっています。
数理系科目を解説するブログを作る
まとめノート作成に比べて、やや負担はあるのですが、Latexを使って数式を交えた数理系科目を解説する記事を作成してネットにアップすることもLatexのアウトプットになります。
自分のようにブログを作ってその中に記事を投稿してもいいし、もう少し簡単なやり方だとnoteでアカウントを作成して、そこで投稿するのもいいでしょう。
これをやる場合、CloudLatexなどで、まとめノートを事前に作成していると、記事の大枠はできているわけなので、ある程度簡単に解説系記事ができてしまいます。
この観点からも、CloudLatexで数理系科目のまとめノートを作成するメリットは大いにあると言えます。