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【線形代数】直行補空間を解説|ベクトルと部分空間の直交

本記事では、直交補空間に関して解説します。

ベクトルと部分空間の直交

 

【定義】ベクトルと部分空間の直交とは

【定義】
\(R^n\)の部分空間\(V\)と\(\mathbf{a} \in R^n\)が直交するとは、任意の\(\mathbf{b} \in V\)に対して、\(\langle  \mathbf{a}, \mathbf{b} \rangle =0\)が成り立つことをいう。\(\mathbf{a}\)が\(V\)に直交するとき、\(\mathbf{a} \perp V\)と表す。

 

【定理】ベクトルと部分空間が直交するための必要十分条件

\(V\)を\(R^n\)の部分空間とし、\(\mathbf{u}_1, \mathbf{u}_2, \cdots, \mathbf{u}_n\)を\(V\)の基底とする。このとき、\(\mathbf{a} \in R^n\)に対し、
\[\mathbf{a} \perp V \Leftrightarrow \langle  \mathbf{a}, \mathbf{u}_1 \rangle  = \cdots = \langle \mathbf{a}, \mathbf{u}_n \rangle  = 0\]

つまり、\(\mathbf{a} \perp V\)であるための必要十分条件は、\(V\)を生成するn個すべての基底ベクトル\(\mathbf{u}_1, \mathbf{u}_2, \ldots, \mathbf{u}_n\)と\(\mathbf{a}\)が直交する(内積が0)ということ。

直交補空間

 

【定義】直交補空間とは

【定義】
\(R^n\)の部分空間\(V\)に直交するすべてのベクトルからなる集合を、\(V\)の直交補空間\(V^\perp\)といい、

\begin{align*}
V^\perp &= \{\mathbf{a} \in R^n | \mathbf{a} \perp V \} \\
&= \{\mathbf{a} \in R^n | \; \mathrm{任意の} \mathbf{b} \in V \mathrm{に対し}, \: \langle \mathbf{a}, \mathbf{b} \rangle  = 0 \}
\end{align*}

で定義する。

 

【定理】一意的な直交分解

こちらの定理は、射影を用いて「【線形代数】直交補空間への射影とベクトルの直交分解」で解説、証明しています。

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